【初心者向け】よいロゴデザインでやってはいけないこと
ロゴデザインでは、よいロゴを制作するために気をつけたいいくつかのポイントがあります。初心者が、知らず知らずにロゴデザインでやってしまう「よいロゴデザインでやってはいけないこと」とは、何でしょうか。今回は、アイデアからデータの納品まで、ロゴデザイン初心者が制作の際に、気をつけたいポイントをまとめました。
もくじ
1. 事前調査をしないでデザインをはじめる
よいロゴデザインでは、デザインする会社や競合他社の事前調査が必要不可欠です。これらをよく分析することで、メッセージ性があり競合と差別化できるロゴ制作が可能になります。最低限、以下の内容は事前調査するようにしましょう。
参考記事ロゴデザインで参考にしたいサイト9選-
クライアントの要望をまとめる
- クライアントの希望を整理します。希望色やイメージ、ロゴを大文字で全て作成して欲しいなど、ロゴデザインに関する要望をまとめましょう。
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企業理念・ブランドコンセプトなどの確認
- 企業理念とは「なぜその企業が存在するのか」を言語化したものです。会社のコーポレートサイトで企業理念は確認できることが多いです。ブランドコンセプトは「ブランドの使命や目的」を言語化したものになります。それ以外にも、企業やブランドの歴史、名前に込められた想いを知るのはロゴデザインに有効です。競合の企業理念・ブランドコンセプトも確認しましょう。
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提供サービスや商品・ターゲットの確認
- ロゴをデザインする会社はどんなサービスや商品を提供していますか?主力になっているサービスや商品・ターゲットをリサーチします。競合のサービスや商品・ターゲットについても確認しましょう。
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競合のロゴ
- 競合他社のロゴにはどんなものがありますか?企業理念やブランドコンセプトなどをふまえて、競合他社のロゴを知ることはデザインの差別化に役立ちます。
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同じ業種のロゴ
- 業種により、よく使われる書体や色に一定の傾向があります。例えば、医療分野では、優しく安心感のあるイメージが求められます。そのため優しい印象の丸ゴシック体、青色やピンク、パステルカラーが好まれます。また、食品・飲食では赤が多いです。これは赤に食欲を増進させる作用があるからです。これからデザインするロゴと同じ業種のロゴの傾向を分析してみましょう。
2. ラスターイメージで制作する
ロゴはベクターイメージでデザインします。ラスターイメージの代表的な制作ソフトはAdobe Photohop、ベクターイメージの代表的な制作ソフトはAdobe Illustratorです。ラスターイメージは、写真など複雑な描写ができますが、大幅な拡大に適しません。ベクターイメージは、複雑な画像表現はできませんが、拡大縮小に強く図形イメージが劣化しません。ロゴは様々な媒体で拡大縮小されて使われるため、ベクターイメージで制作するようにしましょう。
3. 著作権を意識しない
ロゴデザインでは、すでにあるロゴを参考にデザインするかも知れません。しかし、新しく制作したロゴが既存ロゴに似ている場合、著作権侵害で訴えられるリスクがあります。ロゴの著作権を侵害しないためにも、求められる要件にそってオリジナリティのあるデザインを心がけましょう。
4. 流行に左右される
ロゴにも流行があります。サイトで調べると、ロゴデザイントレンドのまとめ記事がみつかります。でも、ロゴは長い間使われるので、流行は関係ないですよね?流行を追うのではなく、いつの時代でも新しく、愛されるロゴを考えましょう。
5. 凡用フォントを使う
フォント選択は重要です。パソコンに最初から入っている標準フォントや凡用フォントは、できるだけ避けます。ありきたりのフォントでは、インパクトのあるデザインは難しいです。書体を変えてロゴにする文字を複数タイプし、イメージの変化をみるのは選択に役立ちます。フォントはマークやシンボルとの相性も考慮して選択しましょう。
6. 多すぎるフォント
ロゴに使うフォントは多くても2つまで。たくさんのフォントを使わなくても、ロゴに変化はつけられます。フォントファミリーは、基本になるフォントとそのバリエーションをまとめたグループです。バリエーションには、文字の太さ、傾き、細さなどがあります。フォントファミリーを使えば、統一感を保ちながら変化がつけられます。
7. 安直なイメージを使う
自然・エコだから葉っぱのモチーフというような、ありきたりなイメージは使わないようにします。自由な発想で、新しいアイデアを考えることが大切です。ロゴの形やモチーフには意味があります。ロゴの由来を知ることができるサイトから、その意味を知るのも参考になります。
8. モノグラムロゴ
モノグラムとは、2文字以上の文字を組み合わせた記号です。「L」「V」を組み合わせたルイ・ヴィトンのロゴが有名です。ロゴデザインでは、なんとなくモノグラムロゴに落ち着いてしまうことがあります。しかし、企業の頭文字だけで、なんらかのメッセージを伝えることはかなり困難です。モノグラムロゴは、企業実績があり略称が通じる場合や希望がないがぎり安易に選択すべきではありません。
9. 抽象的すぎたり複雑すぎるデザイン
ロゴはブランドの存在意義を象徴しますが、抽象的すぎて何を意味しているかわからないのはNGです。反対にロゴが複雑すぎると、一目でその意味を理解しずらくなります。また、複雑すぎるロゴはさまざまな媒体での展開が難しくなります。
10. 特殊効果や色への依存
デザインソフトには、さまざまな特殊効果がかけられる機能があります。特殊効果がなければ見栄えが悪いロゴはNGです。色や特殊効果に頼らなくても、よいロゴは魅力的です。ロゴは、形とコンセプトに集中するため、まず白黒でロゴを制作し完成させます。最後に、必要なら特殊効果をかけるようにしましょう。
11. たくさんの提案
たくさんの提案は、かえってデザインの方向性を迷わせる原因になります。提案数は、1~3案が最適数です。たくさんの提案をするより、ロゴを1~3案提案することの方が効果的です。ロゴ提案では、なぜその形なのか?などの意図をコメントで入れるようにしましょう。
12. 展開例を考えない
ロゴは、名刺・ポスター・Webサイト・ラッピングカーなど様々な媒体で使われる可能性があります。そのため、それぞれの展開例を想定して、文字の大きさやバランス、組み方を決定しなくてはなりません。ビルの看板で美しく可視性のあるロゴでも、名刺サイズでは文字が小さすぎて読めないのはNGです。文字の組みも、横一列だけでなく縦組や改行したパターンも必要です。ロゴがカラーだけでなくモノクロ・単色で使われる場合も考慮して、制作していきましょう。
13. ブランドガイドラインを作成しない
ブランドガイドラインは、ブランディングに取り組む際に基本になるルールブックです。ロゴの色、文字、使い方のルール、禁止事項などをまとめます。ブランドガイドラインがなければ、ブランドをどう運用したらいいかがわからず、一貫したブランディングができません。ロゴが完成したら、ブランドガイドラインを忘れず制作するようにしましょう。
14. 納品データが不完全
クライアントに納品する最終ロゴデータは、最も無駄がなく美しいものでなければなりません。不要なアンカーポイントは削除し、曲線はできるだけスムーズに、シェイプは結合します。左右対称のロゴなら、きちんと完全に左右対称になっているか再確認します。
15. 必要なデータ形式を納品しない
ロゴが使用される媒体により、求められるデータ形式は変わります。印刷でもwebサイトでも、利用できるデータ形式で納品するようにします。スポットカラー・CMYK(スポットカラーなし)・モノクロ。AI・EPS・TIFF・PNG・JPG・SVG形式。ファビコンもあると親切です。
まとめ
よいロゴは、世代を超えて愛され、その存在価値をメッセージで伝えます。ロゴ作成では、事前調査と分析が大切です。また、デザインだけでなく、ロゴをどんなクリエイティブに落とし込むかにも気を配る必要があります。ロゴが完成したら、必要なデータ形式やブランドガイドラインを用意して、ブランディングがスムーズにできるようにしましょう。