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コーポレートカラーとは?決め方とブランディングでの重要性

コーポレートカラーを、何色にするか悩んではいませんか?最適なコーポレートカラーを選択して最大限に活用するには、コツがあります。今回は、コーポレートカラーとは何か?という基本的なことから、色の決め方、注意点を紹介します。

もくじ

コーポレートカラーって何?

企業のメッセージ・哲学を伝える色

コーポレートカラーとは、企業・団体・組織を象徴する色です。
色には、人の心に働きかける固有のイメージがあります。企業の理念やビジョンを色で表現すれば、印象づけたいイメージを持ってもらえます。コーポレートカラーは、企業のメッセージや哲学を伝えることもできます。

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例えば、Googleのコーポレートカラーは青・赤・黄・緑です。この色には「Googleはルールに縛られない」というメッセージが込められています。

google

Googleは、1998年にラリー・ペイジーとセルゲイ・ブリンにより創設されました。社名の由来は、「10の100乗」を意味する数学用語の「googol」です。「googol」は、宇宙に存在する原子の数よりも大きな数を表します。社名には、膨大な数の情報から欲しい情報を見つけ出す、という意味があります。

ロゴは、色の三原色「赤・黄色・青」に、三原色に含まれない「緑」が使われています。これは、ルールに縛られない企業を、色の三原色の摂理に挑戦する姿で象徴しています。

ブランディングでの重要性

ブランディングとは、ブランドに共通のイメージを持たせ、目に見えない価値を与える様々な活動の総称です。ブランドや企業のロゴを構成する要素は、「形・数字・文字」と「色」です。その要素の中でも、一番人の印象に残りやすいのが色。「スターバックスといったら緑」というように、会社名やサービス名をイメージするとすぐに色が思い浮かぶのではないでしょうか。

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Starbucks

コーポレートカラーは、ロゴ、ホームページ、プレゼン資料、看板など、さまざまな企業活動の中で使われます。さまざまな顧客接点でメッセージ性のある色を使うことで、企業が認知して欲しいイメージを持ってもらいやすくなります。

コーポレートカラーの決め方

1. 持ってもらいたいイメージで決める

企業に対して持ってもらいたいイメージの色を選択する方法です。赤は明るく活発なイメージ、青は清潔で信頼できるイメージなど、色にはそれぞれ固有のイメージがあります。イメージを言語化して、それを色に置き換えてコーポレートカラーを選択します。

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Scoot Tigerair Pte Ltdは、シンガポールの航空会社で、低価格の中距離・長距離フライトを提供しています。黄色には、若々しさと楽観主義のイメージがあります。色に込めたメッセージは、「若い世代や心が若々しい人の役に立つ」ことです。黄色は、ターゲットに必要不可欠な若者にアピールするために選択されています。また、黄色の円は太陽を象徴し、飛行機が太陽に近づく魔法の一瞬を表現しています。

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2. 競合と差別化をはかる

同業や競合のコーポレートカラーをチェックして、同じ色にならないように検討します。顧客が複数の同業他社と比較した際に、区別できるようにしましょう。どうしても色が似てしまう場合は、トーンを変えたり色を加えるなどして工夫します。

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ザ コカ・コーラ カンパニーとペプシコは、アメリカの2大コーラ会社です。どちらも、コーラを販売していますが、色は差別化されロゴから受ける印象が違います。

3. 業種・領域でよくつかわれる色にする

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エコならグリーン、子供や女性に関するサービスならピンク、というように一般的なイメージで浸透している色があります。飲食業界では赤が多く、IT業界では青が多く使われる傾向があります。赤が飲食業界で好まれる理由は、食欲を増進させる心理効果があるからです。青は先進的でシャープな印象を与えることができるため、IT業界で好まれます。

4. 社名やネーミングから考える

社名やネーミングから想起する色を選択する方法です。例えば、社名がレモンならイエローを選びます。色から社名を連想してもらう効果もあるので、名前を覚えてもらいやすくなります。

peach

Peachは、日本の航空会社Peach Aviation株式会社のLCCです。名前の由来は、桃。英語でPeachです。
桃は、古来より若々しさ・長寿・繁栄・活力・幸運の象徴としてアジア各国で愛されてきました。桃のようにアジアで愛される航空会社になり、誰もが気軽に旅行を楽しめるフライトを提供したいという思いが込められています。ロゴの色は、桃をイメージさせる紫気味のピンクです。

5. 好きな色を選ぶ

好きな色や、ラッキカラーを選ぶ方法です。創業者の好きな色を選ぶとしても、色が与えるイメージだけは確認しておきましょう。

6. あえて決めない

コーポレートカラーをあえて決めず黒やグレーにする方法です。取り扱う分野が広範囲だったり、多様性を重視したい場合は、イメージの固定化を、あえてコーポレートカラーを決めないのも選択の一つです。

コーポレートカラーを決める時の注意点

色は多くても3色までが基本

ロゴに使う色の制限は本来ありません。しかし、大多数のロゴは2色もしくは多くても3色の色を使っています。複数の色を多用すると、煩雑な印象になり、視認性が悪くなります。

用途に合わせて色指定しよう

コーポレートカラーは、Webサイトや印刷など様々な用途で異なる人に利用されます。そのため、使用者が共通の色のイメージを持って再現できるようにする必要があります。色は想定される用途に合わせて色指定します。印刷では、特色やCMYK、WebサイトではRGBやHEXで色指定します。特色はDICやPANTONEを利用すれば簡単に共通の色を共有できます。

まとめ

色は企業のイメージに大きな影響を与える要素だということがわかりました。コーポレートカラーを決める際は、色が与えるイメージやメッセージを意識することが大切です。また、コーポレートカラーを上手く活用するには、常に同じメッセージをあらゆる媒体で伝えることができるように、用途に合わせて色指定をしましょう。