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ブランディングとは?正しい意味を理解して選ばれるブランドになろう!

言葉を知っていても、「ブランディング」の意味の説明は難しいのではないでしょうか? ブランディングを実施すると、あなたの商品やサービスを継続して購入してもらえます。今回は、ブランディングの意味から、選ばれるブランドになる秘訣をさぐります。

もくじ

ブランディングとは

ブランディングとは、ブランドに共通のイメージを持たせ、目に見えない価値を与える様々な活動の総称です。ブランドとは何でしょうか?ある商品が、ユーザーに他の商品とは違うと「識別されている」とき、「ブランド」と呼ばれます。ブランドとは、「目に見えない価値」「ユーザーが商品やサービスに対して心の中で持つ共通のイメージ」です。

企業がいくらアピールしても、ユーザーがその価値を認めなければブランドにはなりません。ブランドの確立では、企業が伝えたい提供価値イメージと、ユーザーが商品に持つイメージを一致させる必要があります。ブランディングを行うと「○○といえばあの商品」というように、選んでもらいやすくなります。

ブランドというと高級品をイメージするかも知れません。しかし、ブランドとは高級品のためだけにあるのではありません。

「低価格」を売りにした企業ブランドがドン・キホーテです。キャッチコピーは「驚安の殿堂」。「驚安」とは、「来店者をワクワク・ドキドキさせる楽しさに溢れた驚きの安さ」です。ドン・キホーテでは、宝探しをする感覚で買い物が楽しめます。店舗で過ごす時間をアミューズメント化し、「ワクワク・ドキドキする顧客体験」を提供。他の低価格ブランドとの差別化をはかっています。

ブランドの起源と歴史

ブランド(brand)の語源は 、北欧の古ノルド語(burndr)です。

8世紀〜14世紀頃の北欧では、広大な放牧地に、複数の農家が牛を放牧していました。農家では、牛のお尻に焼印を押して他の家畜と区別しました。焼き印をつけることを古ノルド語で(burndr; ブランドル)といい、ブランドの語源となったと言われています。この時代のブランドの役割は、「所有権」を表すものでした。※語源には諸説あります。

11世紀ごろの中世ヨーロッパでは、ギルドと呼ばれる商工業者の排他的な同業組合が形成され始めました。ギルドは大きく、商人ギルドと手工業者の同職ギルドに分けられます。商人ギルドは11世紀に同職ギルドは12世紀に成立し、13~14世紀には各都市の政治・経済を支配。ギルドが品質をチェックした製品には、商標や検査済み印がつけられ、その品質を保証する目安になりました。この時代にブランドの役割は、「所有権」を表すものから「品質保証」や「生産者の識別」へと移行します。

そして、現代。衣食住のすべての分野で、人々はたくさんのブランドに囲まれて生活しています。ブランドは、競合ブランドとの「差別化」が重要な役割となっています。

ブランドの果たす役割

企業とユーザーにとって、ブランドは次のような働きをします。

企業側(サービス・商品提供者側)

出所表示機能:ユーザーに製造者や提供者を識別させる
品質保証機能:ユーザーが品質を評価する基準になる
宣伝広告機能:ユーザーに認知されやすくなる

ユーザー側

識別機能:購入までの時間やコストを削減できる
品質保証機能:購入での失敗リスクの削減
意味づけ機能:ブランドの持つイメージに自己投影し、自己表現できる

ブランディングとマーケティングの関係

マーケティング効果を促進するブランディング

ブランディングは商品や企業のイメージをアップさせること。マーケティングは売れるための仕組みづくりです。ブランディングには、マーケティング効果を促進する働きがあります。マーケティングにブランディング要素が欠けていると、いい結果が得られません。

ブランディングは、マーケティング戦略の前段階で必要になるプロセスです。ブランディングでは、まず初めに企業や商品の存在意義を明確化。次に、その提供価値やイメージをユーザーに想起してもらえるように働きかけます。マーケティングでは、ブランディングという概念を一連の施策の根底におき、ブランドの持つ価値が一貫して伝わるようにすることが大切です。

ブランディングはマーケティングに一貫性を持たせる鍵

マーケティングのフレームワークに4P分析があります。4PとはProduct(商品)Price(価格) Place(流通) Promotion(プロモーション)のそれぞれ4つの頭文字のPです。

Product(商品):どんな商品やサービスをつくり出すか
Price(価格):価格設定
Place(流通):どのような経路や手段でユーザーに届けるか
Promotion(プロモーション):商品やサービスの特徴をどうやって知ってもらうか

例えば、Product(商品)で企業の存在意義に反した商品を企画したり、Price(価格)で高級ブランドなのに低価格設定にしてPromotion(プロモーション)でアピールすることは避けなくてはいけません。

ブランディングのメリット

ブランディングで得られるメリットには次のようなものがあります。

価格競争に巻き込まれなくなる

ブランドが確立されていれば、ユーザーからの顧客ロイヤリティが得られます。顧客ロイヤリティとは、ユーザーが特定の企業や商品・サービスに感じる信頼や愛着のことです。顧客ロイヤリティが高いユーザーは継続的に購入してくれたり、口コミで商品やサービス勧めてくれます。ブランドが確立できなければ、企業は値下げにより購買を促進せざるを得ません。

利益率のアップが期待できる

新規顧客を取得するには、既存顧客取得の5倍のコストが必要といわれます。しかし、ブランディングで顧客ロイヤリティを高めれば、リピーターが確保でき、販売コストが削減できます。顧客ロイヤリティが高いユーザーは、顧客単価も高くなります。

優秀な人材が確保できる

企業の価値観に共感した人材が入社しやすくなるため離職率の改善が見込めます。また、「ブランド力のある企業」は、就職先や転職先の候補にあがりやすいです。

新規市場開拓に有利

企業が新しい市場に参入するには、多大なコストが必要になるのが一般的です。しかし、既にブランディングに成功している企業は、ブランド力を生かせます。知名度も信用もない企業に比べて、成功する確率はアップします。

法的保護で模倣品や競合品を排除できる

ブランドロゴや商品名、デザインが模倣されないよう、商標登録や意匠登録ができます。模倣品や競合品が排除できれば、市場での競争力を強め、シェア拡大や優位性向上が期待できます。

まとめ

飽和状態の市場では、ブランディングがロングセラーになるかの鍵を握ります。ブランドは高級品のためだけにあるのではありません。ブランディングの意味を正しく理解して、あなたの商品やサービスを選ばれるブランドに成長させて行きましょう。